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部長として、母親として──新しいことにチャレンジしていくことへの想い

MBPジャパンSI事業部 ERP開発部の部長を務める朱 寧(しゅ ねい)。 新設部門の部長という立場で、営業、提案、メンバーの育成といったさまざまな業務をこなしている朱は、一児の母親でもあります。 中国の大企業から転職した理由、そして、子育てと仕事の両立への想いを語ります。

新設部門の部長に──誰もやらないことをやりたがる

朱 寧が部長を務めるMBPジャパンSI事業部ERP開発部は、今年4月に新設されたばかりの新しい部門です。

ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業の資源を一元管理し、有効活用する考え方のことで、日本では財務会計、生産管理、販売管理といった基幹システム指す言葉として使用されています。

そのERPパッケージ製品の中で世界的に圧倒的なシェアを占める製品が、ドイツのSAP社が提供している“SAP”です。ERP開発部ではこのSAPによるソリューションと、周辺システムとの連携部分をRPAで作成する業務をしています。

朱 「SAPだけでなく、SAPまわりのパッケージとの連携などを含めたテンプレートとして提案していければ良いと考えて、部門が立ち上がったんです。

MBPが提供するのはSAP+他のパッケージですが、日本市場の中にそういった提案を行っている企業は1割もありません。 誰もやらないことをやりたがるのが私たちの社長なのですが、わたしもチャレンジすることが好きな性格なのでそれに共感しています」

ERPの中に新しいテンプレートをつくるため、最先端の技術を駆使しながら、顧客の研究開発上の課題解決を支援しています。

朱 「部門ができたのは今年の4月ですが、昨年2019年の頭ごろから5名ほどのチームで事業を始めていました。

おかげさまで、お客様、エンドユーザ様とのつながりがどんどん増えてきています」

ERP開発部は立ち上がったばかりであるため、部長として今一番のタスクは“チームづくり”であると話します。

朱 「スタートアップの部門なので優秀な人材が必要です。 SAPやERPの経験、言葉や技術のスキルも必要ですが、メンバーそれぞれが自分の強みを発揮できるようなチームをつくることが大切だと考えています。

コミュニケーション能力に長け、IT、コンサル領域に強い人材を増やし、強くておもしろいチームをつくりたいですね。

また、わたしが会社にチャンスをいただいたように、手を挙げたメンバーが自由に挑戦できるような環境を整えていきたいです。 メンバーに対しては、“個人としてどんなキャリアパスを考えているか”と、“会社としてはこんな希望が持てる”という目標とのバランスを調節して、 ベストステップを一緒に考えていきます」

若手メンバーに向けてSAPやERPといった業務知識の教育にも力を入れていると話します。

新設部門の部長として活躍している朱ですが、もともと日本でずっと働くことは考えていませんでした。

中国大手企業のブリッジSEとして来日

朱の出身は中国のハルビン市。冬は-30度ととても寒いことから、氷の町と呼ばれる地域です。

キャリアのスタートは、中国の大学を卒業した2005年でした。 瀋陽にある中国で最も大きなIT企業に就職します。 中国のソフトウェア会社の中で初めて上海証券取引所に上場した企業です。

当時日中のオフショア事業は急成長しており、日本のお客様の担当となった朱は、お客様先でブリッジSEとして仕事をするために来日しました。 日本語を勉強しながらエンドユーザと一緒に働き、とても成長できた時期だったと話します。

朱 「日本語は大学時代に少し学んだ程度だったので、あまり話せませんでした。それに、ずっと日本で働くつもりもなかったんです。

でも、日本に来てから日本の文化が大好きになりました。 食べ物もおいしいですし、ファッションなどの文化も好きなんです。半年くらいで日本が大好きになっちゃって、今後も日本で長く生活できれば良いかな、と思いながら仕事をしていたら、あっという間に15年経ってしまいました(笑)。

当時は先輩が10年日本にいると聞いて、そんなに長いんですか!?と思ったものですが、経験してみるとあっという間でしたね」

この大手IT企業では10年間勤務しました。

PM(プロジェクトマネージャー)というポジションを任されるほどその働きが評価されていた朱ですが、子どもを出産してからの自身のキャリアについて悩むようになりました。

朱 「子どもが産まれて育休を取ったことで、自分のキャリアが止まった状態になってしまったんです。

職場に戻ったら自分のポジションがどうなるのか、どうすれば仕事と育児の両立ができるのか、一生懸命考えていました」

子どもを理由に仕事を妥協したくなかった

子どもができた後も今までと変わらずに仕事を続けたいと考えていた朱。

朱 「子どもを産んだのは自分の選択であり、仕事は仕事で、私生活とのバランスが取れる自信もありました。

しかし、その後は子どもがいることでの心遣いや気配りが原因で、自分の挑戦したい仕事を任せてもらえなくなりました。 そこで、わたしのキャリアパスに合わないのでは、と考えるようになったんです」

子どもがいることでの心遣いや気配りは、朱にとっては必要ないものでした。

そして2016年、MBPジャパンに入社します。

朱 「子どもが小さいころにMBPへ転職したのですが、面接の時に社長も上司も、育児に関しての質問をしませんでした。子どもが小さいことを知っていてですよ。

わたしはこのとき、『チャンスを活かしてさまざまなことに挑戦したい』という私の気持ちを信頼してくれていると感じられました。

年次に関係なく、誰もがチャレンジできる環境があります。仕事は手を挙げた人がやって良いという社風は、MBPならではの魅力と言えると思います」

MBPジャパンは、新しい事業や新しい領域へチャレンジする会社です。 この会社に入ったら自分のやりたいことはもちろん、新しい領域にチャレンジできることも、入社の決め手になったと話します。

朱 「仕事や生活の中で失敗はありません。もちろん、失敗が本当にないわけではないですよ。でも、自分がいろいろ勉強できて成長できたことは失敗だと思わないんです。

MBPジャパンに入社して、プロジェクトに携わる中でさまざまな問題を経験しました。その度に、エンドユーザとコミュニケーションをして、何か解決できることはないかと方法を考えてすり合わせていきました。

技術的なことや、チームの中で人的リソースの調達など、いろいろな手段をとったおかげで良い結果で終えられたと思います。幸運にも、失敗で終わったプロジェクトはないですね」

新しいことにチャレンジする、一歩踏み出す勇気

MBPジャパンはERP部門だけでなく、コンサルティング部門やDX推進部門を設立するなど、2020年から新しい戦略を多く立ち上げています。

朱 「社長から新しい部門の部長としてのチャンスを頂いて、大変ありがたく感じています。

短期的な目標はこの部門の収支を黒字にすることです。 来年、再来年以降は、ERP専門として全メンバーが即戦力で、技術だけでなくコンサルティングまでできるようにしたいと考えています。

提案力や自分の経験を活かして、チーム全体を成長させていきたいです」

10年以上日本で技術や文化の経験を身に付けてきた朱は、これまでの経験を活かして中国にも何か貢献ができれば、と考えています。

朱 「現在担当しているSAPのテンプレート事業が中国にも進出することで、やっとわたしの中国語を生かすことができますね。 人とのコミュニケーションも大好きなので、言葉を活かしながらビジネスを大きくしていきたいです」

新部門では役職や事業部を越えたさまざまな仕事を経験できると、朱はどんなことでも楽しんで取り組んでいます。

朱 「2020年は新しいことだらけで大変ですが、やらなければならないことはまだたくさんあります。

来年、再来年、もっと良くなるために、メンバー皆やる気満々です。将来の成長を見据えて、一丸となって走っています」

このSAPテンプレートを提案する仕事が、今一番情熱を注いでいることだと楽しそうに話す朱。しかし、仕事と家庭の両立はそう簡単なことではありません。

困難に立ち向かうにあたり、朱に大きな影響を与えた一冊の本を紹介してくれました。

朱 「Facebookの最高執行責任者(COO)シェリル・サンドバーグ氏が書いた、『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』という本があります。

LEAN INとは“一歩を踏み出す”という意味です。

もう一歩踏み出す勇気が持ちたい。運命と諦めず、先入観を打ち破る“信念”が持ちたい。自分の運命は自分が決めるんだと、粘り強く闘う “精神”を持ちたい。

仕事や働き方に悩む女性に勇気を与えてくれる本です」

家庭と仕事の両立を会社に支えてほしいという社員のために、MBPジャパンには育児休業の制度があります。 男性社員の取得実績もあり、うち1名は6カ月の育児休業から復帰して現在はフルタイムで活躍しています。

メンバーそれぞれが働きやすい形で働ける会社を目指し、MBPジャパンはこれからも働き方改革に取り組んでいきます。

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